卵子と精子の対称性の自発的破れ - 性差のはじまりを考える
「性をめぐる生物学の理論」について,特論(この回)と一般的な話(次回)の2回に分けて書く.自分が大学院生の頃は「社会生物学」とか「進化とゲーム理論」という言葉が新鮮な響きを持っていた時代で,そういう話題を普通の教養の一部として耳にする機会があったが,いまはどうだろう.そもそも生物学に,こういう感じの「理論」があることを知らない人も結構いるのかもしれない.一方で,このブログには本職の生態学の読者も多そうなので,恥ずかしい気もするが,自分の中ではそれなりの重みのある話題なので,あえて取り上げてみることにした.
雌と雄の違いを突き詰めると
雌と雄はどこが違うのか.種によっていろいろな性差があるが,哺乳類にこだわらずに広く考えると,生物として基本的なのは「雌は卵子を作るが,雄は精子を作る」という違いになる.
では,卵子と精子はどこが違うのか.基本的には,ひとつの個体から生まれる数が 少なくてデカい配偶子が卵子,多くて小さい配偶子が精子ということになる(ほかに運動性の違いもあるが).
そのあたりの進化が実際の生物でどうなっているのか,という話は,たとえば下のリンク先に表がある(「異形配偶子」で検索すると,もっといろいろ見つかる).
たとえば,アオミドロは「接合」を行って遺伝子を交換する.これはまったく対称的で,かつ,外部に配偶子を出さないプロセスである.別の藻では,遺伝子の交換専用の細胞である「配偶子」を作るが,接合する同士の見かけや大きさは変わらず,やはり対等である.ところが,よく似た仲間の中には非対称な大きさの配偶子(異形配偶子)を作るものがある.これが「卵子」と「精子」の起源のひとつの例ということになる.
おそらく,一般に「対等な接合」のほうが昔からあって,そこから非対称性が生まれたのだろう.何回独立にそういう進化が起きたのかわからないが,そのうちのどれかの末裔がわれわれなのだ.
配偶子が大きいと良い点
配偶子にとって「大きいと良い点」は何か.「外部に放出された配偶子が結合して新たな多細胞の個体になる」というシステムを前提とすると「ある程度の栄養を蓄えたほうが生存に有利」というのは納得がいく.
もちろん,デカくすれば数は減るから,それとのトレードオフで,どの大きさがいちばん有利か,環境や生態によって決まってくる.同じ魚類でも,イクラのような大きい卵もあれば,微細な卵もあるのは,魚をよく食べる人なら知っていると思う.
しかし,これだけでは「大きいのと小さいのが両方できて,大と小が結合する」というのは説明できない.むしろ全部が同じ「最適サイズ」になるほうが起こりやすそうだ.
卵子と精子の物語
ここで「種の繁栄」ではなく「それぞれの遺伝子が利己的に自己の利益を追求する」という生物の基本に戻って考えてみよう.
#「利己的な毒キノコ」の記事も参照
http://blog.hatena.ne.jp/ibaibabaibai_h/ibaibabaibai-h.hatenablog.com/edit?entry=8454420450103236889
一般に遺伝子同士が自分の利益を追求するなら,配偶子のサイズを決める遺伝子だってそうかもしれない.そこで考えられたのが,以下のようなストーリーである.
最初は小さい同形の配偶子からスタートするとしよう.世代を重ねるごとに「もっと大きいほうが高い確率で生き延びられる」というので,デカい配偶子を作る遺伝子が淘汰されて,しだいに配偶子のサイズが大きくなる.「卵子」の誕生である.
この先のひとつの結末は「やがて最適サイズに到達して,ほぼ全部がそのまわりの大きさに揃う」という平穏なものである.しかし,そうはならないかもしれないのだ.
ある程度まで卵が大きくなった時点で「卵の栄養を狙って,多数の小さい配偶子を生成して,デカい卵を乗っ取ってタダ乗り」というタチの悪い戦略が発生してくる可能性がある.「精子」の誕生である.
この説をはじめて聞いたときは,知的な興奮を覚えるとともに「精子ってなんてひどい奴なんだ」と憤りを禁じえなかった.
でもよく考えると自分,雄だったわ.すみませんすみません.
本当にそんなことがあるのか
この説で問題なのは,まず「どうやって検証するか」だ.性をめぐる理論の多くが検証可能性の問題をはらんでいるが,その中でも温度差がある.たとえば次回ちょっと触れる「性比」の問題などは相対的にはましなほうで,今回取り上げた問題はかなり厳しい.
もうひとつ「何か言葉でごまかしてない?」「理論上ホントにそんなことが起きうるの?」という内在的な疑問もある.こちらは「お話」の中身を数式で表現してシミュレーションを行うことで,ある程度は見当がつきそうだ.
お話を数式にする
さっそく数式を作ってみよう.まず,配偶子を作る個数がとなるような遺伝子を持った個体の比率を としよう.このとき,配偶子全体の重さは一定とすると,1個あたりの重さは に比例する.
すると「作る個数がであるような遺伝子を持つ配偶子」と「作る個数がであるような遺伝子を持つ配偶子」が出会うチャンスは (※)に比例することになる.また,それらが「合体」したときのサイズは,両者のサイズの和なので, に比例するとしてよいだろう
そこでもうひとつ仮定が必要になる.適当な関数形を仮定して,合体した配偶子が大人になるまで成長する確率が で決まるとするのである.「デカいほど有利」というのはが単調増加関数だということを意味するが,その範囲で具体的にどういうを選ぶかが,われわれのレシピの鍵になる.
以下では,シンプルな形を使う(元ネタの文献は末尾を参照).
これでとりあえずモデルは完成である.「配偶子を作る個数がであるような遺伝子を持つ配偶子」がサイズの相手と合体して,それが大人になる確率は(※)に を掛けて以下のようになる.
サイズが小さくても,数の力でサイズの大きな相手とくっつくことに成功すれば,大人になるまで成長できる確率の値が大きくなる,というのがポイントである.
「配偶子を作る個数がであるような遺伝子」が次世代に生き残る力は,上の式をについて足し合わせたものになる.
ここで,あまりにが大きいと,サイズが小さくなりすぎて相手に出会うまで生存できないと思われるので,の上限をとしている(このあたりをもっと丁寧にモデル化することも可能である).
新しい世代での比率を求めるには,全体が1になるように「全部のについて足した和」
で上の式を割ればよいだろう.
すると,ある時刻の分布から,次の時刻(次の世代)の分布を求める式は,全最終的に以下のようになる(矢印は代入のつもり).
これをぐるぐる代入してから順番に時間発展させてゆけばよい.
さあやってみよう!
さて,あとはプログラムを書いて実行である.上の式をただ書けばいいのだが,参考までにR言語でのプログラム例を最後のほうに付けた.
a=1/5, N=50とした実行結果は次のようになる.横軸がで,縦軸がである.初期値はさっきのシナリオとはちょっと違うが,からまで等分布からはじめている.
1回目(2世代目)
5回目
200回目
「性別」がもともとある場合
いまの計算は有性生殖といっても「2つの性」があるわけでなく,配偶子が好きに接合するケースに相当する.
これに対して「性Aと性BがあってAとBの組み合わせしか接合しない」という意味の性別はすでにあるという条件下で考えることもできる.この場合「性Aの配偶子と性Bの配偶子の大きさの対称性が破れるか」という問いになるが,考える生物のグループによってはこちらのほうが現実的である.
最小限の数式の変更で済ますと,とをそれぞれ性Aと性Bについての配偶子を作る数の分布として
のようになる.初期値をとでまったく同じにすると特殊すぎるかもしれないので,乱数で初期値を振ることにしよう.
計算を実行すると,たとえば以下のようになる.【性A】 と【性B】 を左右に示した(左右の縦軸のスケールが違っていて申し訳ない).
こんどは,性Aと性Bがそれぞれ「卵子を作る」と「精子を作る」に分化している.乱数を変えて何回もやってみると,下の図のように,逆に性Aが精子に性Bが卵子に対応する場合もある,
最初の乱数のわずかな差でどちらがどちらになるか自発的に決まってしまうわけだ.AとBのどちらが精子に対応するかは,対称性から半々になるはずである.
いやあ,楽勝でしたね!
・・あまり甘くみてはいけない.簡単なプログラムですぐに「成功」してしまったが,実はこれ,調べてみると数理的になかなか微妙な例題のようである.
多くの文献では,に相当するものが連続量となるモデルでゲーム理論的な安定性(末尾のおまけ参照)が調べられているが,結構難しい.われわれのシミュレーションでも,最小サイズや離散化の仕方などに結果が依存しそうである*1.
後半の「性Aと性Bがあらかじめ存在する場合」についても固有の問題点がいくつかある*2.
まず,上ではさらりと流してしまったが,(1)性Aと性Bの配偶子が合体してできる個体は半々の確率で性A,性Bになる,(2)性Aになった場合に作る配偶子のサイズは性Aの親と同じ,性Bになった場合に作る配偶子のサイズは性Bの親と同じ,などを仮定しないと上で用いた式は出てこない.
また「性A(性B)の中に大きいサイズの配偶子を作るものと小さい配偶子を作るもの」が混じる場合(ゲーム理論でいう混合戦略)をどう考えるか,という問題がある.実際の藻の場合にもこれは存在するらしい.この場合「配偶子の大きさが2通りになる」のはよいとして,それと「性Aと性Bの特徴が分化する」の間には論理的なギャップがあるので,そこを説明する理屈が別に必要になるかもしれない.
見どころ(その1)-「雌と雄の戦い」
このストーリーが本当かどうか確かめるのは簡単ではなさそうだが,面白い話であることは間違いない.
まず,ひとつ目の見どころは,協力して当然のように思われる「雌」と「雄」が対立するものとして描かれていることだ.これは,最近も研究が盛り上がっているらしい「雌と雄の戦い」という話の原型になっている.
2014年の岩波「科学」の特集「愛と性の科学」には,「愛は戦いである」「贈り物に隠された計略」「娘の中で繰り広げられる父と母の対立」の3本の解説論文が収録されている.タイトルだけ見ると,ぜんぶ人間の話かと錯覚するが,最後を除く2本は昆虫やウミウシの話である.
目次
雑誌『科学』 2014年7月号 VOL.84 NO.7
雌にせよ雄にせよ,できた子は通常は雌にも雄にもなるのだから,いくら遺伝子が利己的でも「闘争」というのは変に思えるかもしれない.しかし「もし雌であればこのような行動をとれ」「もし雄であればこのような行動をとれ」という風に性別で条件分岐するプログラムを遺伝子がコードしているとすれば,十分それはありうる.遺伝子が生き残るには「自分が異性だった場合のこと」を考える必要はないし,考えてはいけないのである.
たとえば,上記「愛は戦いである―メスとオスの性的対立」(宮竹貴久)によると,ゾウムシの一種では,雄は雌を少々傷付けても自分の子孫が増えるように棘のある生殖器を持っているそうだ.雌もやられてはなるものかと後脚を発達させて思い切り雄を蹴るらしい.もちろん,雌が卵を産む前に100%死んでしまったり,雄が何もしないうちに100%ノックアウトされてしまったら,その遺伝子の子孫は残らないだろう.だから限度はあると思うが,いまの場合,相当思いっきり戦っているらしい.
なお「雌になったとき」と「雄になったとき」が完全には切り替えられない事例についても,上記の解説に出ている.雄になったときは胸部を大きくしたほうがよく,雌になったときは腹部に投資したほうが有利なのだが,完全には切り替えられず,雄のときの属性が雌の場合にもなんとなく出てしまうのである.
さて,こういう話を聞くと,ついつい人間の男女について何か言いたくなる.しかし,それは科学の成果の捉え方としては要注意だろう,すぐに人間にあてはまるとは限らないし,たとえあてはまっても「事実の認識」と「倫理」は別モノである.せいぜい「精子ずるいぞ!」とか「ゾウムシひでえええぇ」と心の中で叫ぶくらいにしておきたい.
見どころ(その2)-「自発的対称性の破れ」
もうひとつの見どころは「対等な状態が自然に不安定化して違うものができる」点である.こちらに着目すると,同じ話をまったく違った切り口でとらえることになる.
「中間の性質の個体の適応性が低くて,適応度の高いものが両極にわかれる」ことを生物の用語では「分断選択」(disruptive selection)という.卵子と精子に関するいまの仮説では,外界の影響だけでなく「配偶子同士が合体して適応性が決まる」ということからくる内部的な相互作用によって分断選択が起きるのが特徴である.
特に「非対称になる前から性AとBが存在して,しかも性ごとに配偶子のサイズがひとつに決まる」場合には,半々の確率で,性A,Bと卵子・精子の対応関係が選ばれる.ほんのちょっとした偶然で「どちらが卵子でどちらが精子か」決まったら,もうあと戻りはできないのである.
理論物理ではこれと似たような現象が「自発的対称性の破れ」としていろいろ知られている.
たとえば,磁石や鉄を赤くなるまで熱すると,磁力がなくなって磁石にもつかなくなるが,冷やすと復活する.このとき,どの方向にNとSが来るかは,復活の瞬間に働くほんのちょっとの外部からの影響,たとえば地球の磁場で決まる*3.それで,磁鉄鉱についてこれを調べることで,過去の地球の磁場の方向を知ることができたりする.
溶液から結晶ができるときも似たことが起きる.最初にどの位置から原子が並びはじめるかで,どこに結晶ができるかが決まる.いったんできはじめると,もう並べる位置は決まってしまって後戻りはできない.
いちばん有名な「自発的対称性の破れ」は,素粒子の基礎理論でのそれだろう.同時にこれはいちばん説明の難しいものでもある.
自分が中学生くらいの時代は,素粒子の研究で大きなブレークスルーがあった時代だが,ブルーバックスなどにはひと時代前の成果しか書いてなくて,それを読む限りではもう絶望的な感じであった.なにしろ「素」であるはずの粒子があとからあとから見つかり,それらの質量にはきちんとした規則性がないのである.
この大変な状況をスッパリと片付けてしまったのが「自発的対称性の破れ」の概念であった.要するに,世界の出発点は本当はすごく単純で美しいのだが,自発的に対称性が破れて「ありうる可能性のひとつだけ」が実現されているために,規則性が乱れているように見える,と考えるのである.最近のヒッグス粒子の発見はこの立場を決定的に裏付けたといってよい.
ここで,ほかの例でいえば,磁石が別の向きに磁化されている世界.結晶のできる位置が違う世界,性A・性Bと卵子・精子の対応が逆転している世界・・が使徒,いや「実現しなかった別の可能性」である.
まあ,こんな背景があるので,物理出身の人間は生物の理論で「自発的対称性の破れ」みたいなものが出てくると滅法うれしかったりするのである.しかし普通に考えても,こんなふうに違う対象を繋ぐロジックがあるのは,やっぱりちょっと面白いのではないだろうか.
Rのプログラム
最初のモデル
par(mfrow=c(1,1)) a=1/5 f=function(z){w=exp(-a/z); return(w)} N=50 P=array(1/N,dim=c(N)) A=array(0,dim=c(N,N)) kmax=200 for(k in 1:kmax){ print(P) for(n in 1:N){ for(m in 1:N){ A[n,m]=n*P[n]*m*P[m]*f(1/n+1/m) } } P=apply(A,2,sum) P=P/sum(P) barplot(P,space=0,col=4) # scan() }
for文が2重にあってあんまりRらしくないが,気に入らない人は各自修正するように.scan()のコメントを外すとリターンキー入力で1ステップずつ進むようになる.
2番目のモデル:「性Aと性BがあってAとBの組み合わせしか接合しない」
par(mfrow=c(1,2)) set.seed(1989) a=1/5 f=function(z){w=exp(-a/z); return(w)} N=50 P1=array(runif(N),dim=c(N)) P2=array(runif(N),dim=c(N)) P1=P1/sum(P1) P2=P2/sum(P2) A=array(0,dim=c(N,N)) kmax=50 for(k in 1:kmax){ for(n in 1:N){ for(m in 1:N){ A[n,m]=n*P1[n]*m*P2[m]*f(1/n+1/m) } } P1=apply(A,1,sum) P2=apply(A,2,sum) P1=P1/sum(P1) P2=P2/sum(P2) barplot(P1,xlim=c(1,N),space=0,col=2) barplot(P2,xlim=c(1,N),space=0,col=2) # scan() }
(もともとの話の)参考文献
比較的新しい文献として,下記のものがあり,関数の決め方などを含めて参照した.無料でダウンロード可能なようである.http://bit.ly/23Rwn50
Bulmer, M. G., & Parker, G. A. (2002). The evolution of anisogamy: a game-theoretic approach. Proceedings of the Royal Society of London B: Biological Sciences, 269(1507), 2381-2388.
途中まで気が付かなかったが,第2著者のParker氏は,このブログで紹介した説のオリジナルを1972年の論文(下)で提案したご本人だった.それから30年を経て,若いときの出世作を擁護する論文を書いていることになる.なんだかすごい.
Parker, G. A., Baker, R. R. & Smith, V. G. F.(1972), The origin and evolution of gamete dimorphism and the male–female phenomenon. J. Theor. Biol. 36, 181–198.
こんな人らしい↓
Bristol University | Public and Ceremonial Events Office | Professor Geoffrey Parker, FRS
メイナード・スミスの有名なテキスト(原著1982.いつのまにか日本語訳は版元品切れ)の4章C節でも異形配偶子に関する話題が取り上げられていて,Parkerらの説が簡潔に説明されている.同じ著者の"The evolution of sex"にも同じ話題がある.
(おまけ)ナッシュ均衡・ESS・CSS
上でやってみせたように,明示的な世代の更新モデルを書いて直接ガンガン計算してしまうのは,現代においては一番簡単なアプローチだが,「遺伝子や交配の仕方の詳細に依存する結果」と「そうでない結果」が混じってしまうという問題がある.
歴史的に重要な役割を演じたのは,ESS(進化的に安定な戦略)の概念であった.これは,ゲーム理論でいうナッシュ均衡の特別な場合である.
進化的に安定な戦略 - Wikipedia
大ざっぱにいえば「ある戦略をみんなが取っているときに,そこに別の戦略の個体が侵入できない」という条件を考えるわけである.これで遺伝子の設定やダイナミクスがまったくいらなくなるわけではないが,問題によってはモデルの細部の設定に対してロバストな結果が得られる.これを「(集団)遺伝学的アプローチ」に対して「ゲーム理論的アプローチ」という.
ただし,ESSは連続パラメータの戦略の場合には問題があって「少数の有限に違うものが侵入する」に対しては安定でも「(多数が)無限小ずれる」ことに対しては不安定になりうる.こういうずれに対しても元に戻る場合をCSSという.
Bulmer and Parker (2002)では,いまの問題についてゲーム理論的な立場での解析がされているが,同形配偶子の安定性ではCSSかどうかが本質的なようである.これに対して「進化のゲーム理論」の4章C節の解析では求めたESSがCSSであるか否かのチェックがされていないように見える*4.
もちろん離散でモデル化するというのもありで,たとえば下の論文では「作る配偶子の個数」ではなく「そのための分裂の回数」で戦略をパラメトライズしているようである.となるわけである.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3427103/