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ibaibabaibaiのサイエンスブログ

サイエンス中心の予定ですが,何を書くかわかりません.統計とかの話はこっちに書くつもり. https://sites.google.com/site/iwanamidatascience/memberspages/ibayukito  ツイッターは@ibaibabaibai

春本番,東北のカタクリを見に行ってヤツメウナギに遭う(番外編2)

番外編その2です.秋田にいる高校の友人が車を出してくれるということで,かねてから気になっていた和賀のカタクリを見に行くことにしました.

今回は彼女はお休みです.3月末にジムの階段から落ちてホネにひびが入って,しばらく遠出はできないことに.最近は電車やバスの中でリュックを前に背負うことが奨励されているようで,それ自体はもちろん良いことなのですが,そのまま階段を降りると前が見えないので危ないです.みなさまもご注意を.

北上川と桜

まずゆっくり家を出て一関で乗り換え.リニアコライダー誘致中だそうです.

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北上で少し時間があるので,桜の名所の北上展勝地へ.ソメイヨシノは散りはじめていましたが,少しだけある枝垂れ桜は見事でした.

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足元の草地にたくさん咲いていた花.

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この日は近くの鉛温泉にひとりで前泊.

和賀のカタクリ

翌日はトンネルを抜けて和賀へ.今年は早い,というので早めに行ったつもりでしたが,やや盛りを過ぎていてあぶないところでした.北上線もありますが,車なしではなかなか効率よく回れない場所で,友人に感謝です.

カタクリの里 ( カタクリ回廊 ・ カタクリまつり ) - 西和賀町

群生しています.もう人家の隣の空き地とかそんなところまで生えています.

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ここのカタクリは色が濃いのが特徴.

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混じっている青い花はヤマエンゴサクです.

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雪を頂く和賀の山々(真昼山地).

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そして今回の主役

カタクリだけでなく,ミズバショウも普通に咲いています.写真の場所は観光用に散策路が整備されていましたが,何気に車道から見える沢地にも咲いています.

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しかし,ミズバショウは今回のメインではありません.主役は下の流れの中で活発に動いているこれです.ほぼ真ん中,わずかに左下ですが見えるでしょうか.あとで拡大します.

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横にいる人が「ヤツメウナギ」だと説明しています.えーーマジか.ヤツメウナギが狭義の魚類ではなく円口類でウナギとは全然違う・・というくらいは自分も知ってます.でも,あれは海とか河口にいるんじゃなかったけ(ヌタウナギと混同してました).

友人にさっそくご注進.「いや違うと思うよ.ヤツメウナギは大きな川にいるものだ.サンショウウオでは」 なーんだ,山椒魚か.まあ写真とっておくか.

いや,後で考えたら,サンショウウオは手足がありますがな.ちなみに友人の名誉のためにいうと,彼のほうは現物は見てないです.

それで家に帰ってから写真を拡大して眺めていると..

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さらに拡大.

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うわあ,眼の後に穴が並んでるよ.これは間違いないですわ.いや待て,穴が6つだから,これは七つ目うなぎかもしれないぞ(←1個はちょっと見にくいですが,よく見るとちゃんと7つあります).

・・というわけで,ホントにヤツメウナギでした.

ヤツメウナギ - Wikipedia

スナヤツメ?

しかし,ヤツメウナギカワヤツメ)だとすると,いったい何を食べているのでしょう.カワヤツメは他の魚などに吸盤状の口で吸いついて,吸血するというナイスな異能の持ち主のはず.こんな小沢のようなところに,自分より大きい魚とかいないのでは.袋に入れておくとお互いに吸血するそうですが,お互いに血を吸い合っても総量は変わらないから何の役にも立たないし.

調べて最初に思ったのは,アンモシーテス(ammocoetes)という幼生ではないかということ.幼生のころは泥に潜って有機物を漉しとって栄養にしているそうで,おとなのように吸血はしないそうです.しかしどうも,幼生には目がないらしいし,穴の様子もちょっと違うような気がします.

すると,友人からメールが来てヤツメウナギでも「スナヤツメ」ではないかと.

スナヤツメ

スナヤツメ レッドデータブックやまぐち[淡水産魚類]

なるほど,こちらの可能性のほうが高いかも.

上の2つのリンクの最初のには「4年目の秋に変態して成魚になりますが(成魚には目がある)、変態後は消化管が退化してしまい、餌を取らずに春まで過ごします。春から初夏にかけて産卵し、一生を終えます」とあります.一生吸血しないタイプのヤツメウナギですか.活発に動いていたけど,もし4年目ならもう産卵直前なのですね.

しかし,吸血するヤツメウナギもすごいですが,口が吸盤状に変化してもやっぱり吸血しないというのは考えようによってはもっとすごいです.なんらかの理由でそのほうが適応的なのでしょうが,まるで無駄に吸盤になってます(いやなにか役割がある?) 

昔の人なら,ヤツメウナギが罪を悔いて出家し仏門に入った姿だといいそうですね.いや,そんな話は全然ないんですが.

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ミズバショウの間に2匹います.泥の中やくぼみに頭を突っ込むのが得意みたいです.

(おまけ)ギャラリー

これでメインの話はおしまいですが,少し追加の写真を.

北上線は,小道が渡っていても踏切がなかったりして,ひたすらのどか.

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・・と思ったら,遠くの音が急に大きくなって列車が来ました.あまり油断すると危ないです.

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おや,森の中に茹でダコが.

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これはシダの芽生えで,少し育つとこんな風に.友人によるとエグくて食べられない種類とのこと.

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カタクリは後ろ姿のうなじが良いですね.

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キクザキイチリンソウは青と白があります.

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キケマンも咲いていました.

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ヒメギフチョウが舞っているのを何回も見ましたが,動きが素早くて写真がとれませんでした.


というわけで,すてきな春の一日でした.

最後に盛岡まで送っていただきました.締めは岩手山と桜です.

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(蛇足)ヤツメウナギを食べる

東北では(それ以外でも?)カワヤツメを食べるみたいです.スナヤツメは小さいし普通は食用の対象外.

カワヤツメ (ヤツメウナギ) | 市場魚貝類図鑑

かば焼きとかだと雰囲気はうなぎみたいですね.味がレバーっぽいという記述もありますが,やっぱり主食が血液だからか.

英国ではヤツメウナギのパイが伝統食みたいです.

4/25 女王献上のヤツメウナギパイ…カナダ産ヤツメとなるワケ - Online Journey